昨日、無事に「筑前町立大刀洗平和記念館」のクラウドファンディングが終了。目標金額に到達しなければ0円という方式で、もし到達しなければ寄付をいただいた方のご厚意が無に帰してしまうという中において、無事に500万円を到達したことは心より喜ばしいことであり、応援メッセージを寄せさせていただいた者として心より感謝いたします。
関係者の皆様も心労が絶えない毎日だったと思いますが、お疲れ様でした。
昨年には現在公開中の映画「ゴジラ-1.0」で使用された「震電」の模型を買い取り展示するクラウドファンディングにも成功。クラファン開催当時は映画で使用されたという内容は公開できない条項があったようで、その相乗効果は期待できない中での成立となったことで、震電自体への興味の高さを感じさせる結果となったと思っています。
これは応援メッセージ内でも記載させていただいた内容と重なりますが、私と大刀洗の関係は、記念館においては2021年に写真展「群青の追憶」を開催させていただいた縁ある場所なのですが、さらに遡ると私の祖父が大刀洗陸軍航空廠(厳密にはその分廠である新田原や菊池であった)に所属していたという自分のルーツにも関わる場所でした。これは、祖父が戦争に関わっていたということは知っている程度で何をしていたまでは知らなかった時期に、大刀洗の方々の勧めで「軍歴証明」を取り、初めてそこで祖父が戦中にどのような歴史を辿ってきたのかということを知ることができました。
元々、たまたま大刀洗の方々が靖国神社遊就館で開催した私の写真展を拝観して下さったことから「ぜひうちでも!」とお声がけいただき、記念館に伺った時に軍歴証明の取り方を教わり、祖父の足取りを辿ってみたら大刀洗という名前が出てきたことに大変驚いたのと同時に、「ご縁」があったのかなと感じずにはいられない出来事だったのを思い出します。
こうした話をすると「祖父がきっかけで」と思われるかもしれませんが、私は何も話を聞けなかった世代です。特に戦争経験者は過去のことは「話したがらない」という方が多いと聞きます。しかしながら、私の周りにいる多くの方は「もっと聞いておけばよかった」と話をされる方ばかりです。もし、近くに戦争経験者、いなくても家族に経験をした人がいてその話を聞かされている人がいるかもしれません。家族、自分の大切な人、友人にそういった話を聞いてみては如何でしょうか。そういった身近で起きていたことを「知ること」が、風化を遅らせるため行動になると信じています。
さて、陸上の戦跡に関してこうした保存や保護の動きがある一方で水中に関してはどうでしょうか?今年の夏に沖縄の沈船「エモンズ」の艦首の一部が崩落したという話がありますが、水中という環境から遅々として進まず、ただ指を咥えて崩落を見ているだけという状況にやるせなさを感じずにはいられませんが、何かできることはないかと模索している最中です。今後、こうした戦争遺跡に限らず、水中にある歴史あるもの「水中文化遺産」として考えられるものに対して私自身がどう関われるのか、少しお伝えできる場ができるかと思いますのでご期待ください。
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