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【サイパン】サイパンでレックダイビング(沈船ダイビング)をするには?

2023年はサイパンを2回、縁があり訪れた。


1度はサイパンの沈船群の水中文化遺産関連の調査、もう1度はプライベートツアーで近くのロタ島とあわせての訪問となり、のんびりとした空気、素晴らしい自然と景観は皆さんにもぜひ味わってもらえたらと思うものである。


折角なので、皆さんがサイパンに旅行に訪れた場合、レックダイビングをする為にはどうしたら良いのか?というのを此処で示しておけたらと思う。


サイパン島・空港近くの陸上戦跡
サイパン島・空港近くの陸上戦跡

 まず、陸上ではラストコマンドポストやバンザイクリフといった有名な戦跡ツアーが存在するが、水中の戦跡ツアーだけを専門的に催行しているところは残念ながら存在しない。皆さんは、サイパンの水中にどれくらい戦跡があるのかご存知だろうか?


◉目次

サイパンの水中戦跡一覧

 ここで示すレックポイントは「サイパン島の水中文化遺産トレイル」に組み込まれているもので、私が一度でも潜ったことのあるポイントとなる。サイパン水中文化遺産トレイルに同行調査した内容に関しては、以前、こちらのブログにて紹介した通りである。


サイパン島・二式大艇
サイパン島・二式大艇

零式三座水上偵察機

二式飛行艇(エミリー)

シャーマンタンク(M4中戦車)3両

大発動艇 3隻

松安丸

LVT(アムトラック)2両

PB2Y Coronado

PBM Mariner

TBF/TBM Avenger

スチーマー(と呼ばれている船)

サブチェイサー


上記に示した沈没艦船、航空機以外にも聞くところによると存在しているものがあるようだが、個人による調査によるもので、2023年現在、私自身は潜ることが出来ていないのでここでは割愛させていただく。(もし、これ以外に知っているという方がいたらコンタクトより情報提供をお願いしたい。)


レジャーダイバーがサイパンにおいて、「戦争に関連する沈船(レック)に潜りたい!」と思ってもなかなか潜ることができないのが現状である。それこそ、沈船を潜りたいだけならミクロネシアのチュークなど「沈船ダイビング」を売りにしているエリアに行くことが1番早い。しかしながら、わざわざサイパンを選ぶ理由は金銭面、日程的な問題、あるいはサイパンにルーツがあったり、好きなレックがある人なのだろう。

​サイパンのダイビングスタイル

サイパン島・エントリー風景
美しいサイパンの海

 日系ショップを利用する場合、サイパンのダイビングはフィッシュウォッチングが主流で、サイパンだけでなくテニアンまで遠征することもある。季節よってはマダラトビエイやメアジの群れなど名物となっている景観に出会うことができる素晴らしい海が待っているが、ここではレックについて話をするので生物は割愛する。また、有名なグロットやスポットライトといった地形を楽しむポイントも多い。


自社でボートを持っていないショップがほとんどなので、基本的には「乗り合い」となる。他のショップもいることから「ポイントを選べない。」これがレックダイバーには一番の問題である。「他のダイバーもいるから当日にならないと分からない。」と言われたり、考える間もなく「難しいですね。」と言われてしまうこともあるかもしれない。その中でも、「二式飛行艇(エミリー)」と「松安丸」この2つはある程度、レジャーのポイントとしても使われていることもあり潜れる可能性は高いのだが、潜れる確率をよりあげる為には次の項目でお伝えするが、「季節」を選ぶことである。


ガスの種類

サイパンの沈船群を潜れることになった場合、全体的に浅めであるし、ナイトロックスなどを使うまでもなくエアーで十分だと考える。サイパンではナイトロックスは追加料金がかかる為にコスト面でも負担となる。ただし、身体に優しいという側面を考えるとナイトロックスは水深に限らず推奨されるものである。


ダイビングの初心者の方

指導団体のオープンウォーターレベルで潜れるうようなポイントも多々あるが、やはり少しでもダイビングに慣れ、スキルなども磨いてからの方がじっくりと見ることが出来るであろうから、アドバンスまでは持っていることが望ましい。ダイブショップに問い合わせ時にしっかりと確認をして欲しいと思う。

​サイパンの沈船シーズン

サイパン島・松安丸
サイパン島・松安丸

 基本的にサイパンの沈船エリア(インリーフ)のベストシーズンはフィッシュウォッチングのベストシーズンとは「真逆」となる。


・雨季(日本の夏)

時よりスコールが訪れたり台風の発生は悩みの常である。この時期は透明度が落ちるものの、季節風が弱まり凪になる事も多くフィッシュウォッチングにはベストシーズン。


・乾季(日本の冬)

季節風が吹き始めると透明度が上がり、徐々に沈船シーズンとなる。


最もレックダイビングをするのに良い季節は1月〜3月頃と言われている。

ダイビングショップの選び方

 まず、旅行会社の販売するダイビングパッケージ付きツアーで予約をした場合、基本的には沈船ポイントには行かないと思ってほしい。現地に到着をしてから「行きたい」と言われても前述の通り難しいことがほとんどであるから、必ず予約前に旅行会社や利用するダイビングショップに確認をする必要がある。また、ショップ(ガイド)選びはかなり重要である。何処でも良いから沈船ポイントに行きたいであれば問題ないと思うのだが、ポイントによってはガイドが、場所が分からないという事もよくある話なので、自分の行きたいポイントに行けるか、問い合わせ時に必ず確認をしてほしい。


サイパンであれば独自にレックの調査をされている「MASA DIVE」さんが自社ボートもあり、その界隈では有名なのだが、残念ながら私自身は今までの滞在でお会いすることは叶ってはいない。もし興味のある方は直接コンタクトを取られたら良いかもしれない。個人で調査をされるということは費用も時間もかかることでリスペクトに値するものである。


また、NMDOA (Northern Mariana Diving Operators Association) 「北マリアナ諸島ダイビング事業者協会」という団体が存在する。以前から私も親交のあるMSCサイパンのトシさんがトップの団体(2023年現在)で、主だったダイビングショップはそちらのリンクを辿ることで、他にどのようなショップがあるか見ることができる。

サイパンで沈船ばかり潜る為には?

サイパン島・零式水上偵察機
サイパン島・零式水上偵察機

 季節も何も気にせずに自由にレックに行きたい!と思うのであれば、「ボートチャーター」という手段が存在する。サイパンの場合、船のサイズにもよるが1日600ドル前後(2023年現在)で小さめのボートであれば借りれるかもしれない。しかしながら、チャーターする際、ポイントの問題や、安全面、ダイビングで潜る為のタンク(シリンダー)の問題もあることから、ダイビングショップを通すことは必須で、更には「ガイドが空いている」という条件が必要となり、そこにガイドフィーなども上乗せされることを忘れてはならない。まずは色々なショップに問い合わせをしてみること。最終的な手段としてチャーターという手段を検討すると良いだろう。


サイパンは英語圏であることから語学に不安のある日本人の場合、比較的及び腰になってしまう交渉なども、日系ショップが多いことから容易にすることができるのでぜひチャレンジしてほしい。


もし、自分での手配は難しいが、どうしても潜りたいという方がいればコンタクトより私に連絡をしてほしい。共に行きたい場所を相談し、お連れするということも可能である。より安価に行きたいという事であれば、頻繁ではないが、私自身が開催するサイパンレックツアーに参加をするという方法もある。


なお、シーズナリティなどの確認は親交のあるBIG EYEのトモさんにご協力いただいた。この場を借りて感謝したい。この内容が少しでも皆さんのレックダイビングの一助になれば幸いである。


サイパンの二式大艇や、松安丸も掲載。写真図録「群青の追憶」もぜひご覧ください。












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